今回はフィナステリド(デュタステリド)の副作用についてのお話しです。
フィナステリドを飲まないと治らないのは分かったけど、副作用が怖いんだけど…。
ネットで調べるとフィナステリドは危険!ってゆう記事が沢山出てくるんだけど、本当に大丈夫⁈
こういった不安が出てくるのは当然で、私自身もフィナステリドを飲む前はとても不安になっていました。ではなぜフィナステリドの副作用がここまで不安視されているのか、早速解説していきたいと思います。
- フィナステリドに副作用はあるのか
- フィナステリドの副作用だけクローズアップされる原因
- フィナステリドは使用しても大丈夫?
フィナステリドに副作用はあるのか?
いきなり結論から言うと、「全くない」とは言い切れません。ただし、個人的には「気にしなくていいレベル」だと考えています。いきなり曖昧な答えですいません。
今から私が言っている、「副作用は0とは言い切れないが、気にする必要なし」という結論に肉付けをしていきますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
風邪薬の副作用を気にする人は少ない
まず、こちらの画像を見てください。
これは一般的な風邪薬の中に入っている説明書です。今回は、私も風邪を引いたら使っている「ルルアタック」の説明書を例として出します。
見ていただくとわかると思いますが、副作用のところに、吐き気、嘔吐、食欲不振…など、これでもかというぐらい発症する可能性のある副作用が記載されています。その中にはアナフィラキシーや肝機能障害、腎障害など、パッと見ると中々怖い症状も書かれています。
次は花粉症の薬アレグラ(私も必需品です)の説明書です。
ここにも様々な副作用が書かれています。
では巷で言われているフィナステリドの副作用はどうかというと、代表的なものだと下記のようなものが挙げられます。
- 肝機能障害
- 男性機能の低下
- うつ病
- 無精子症
これだけ副作用があるんだ!やっぱりフィナステリドは使わない方がいいんじゃ…。
と思いますよね。
でもそれって矛盾していませんか?上記で例として挙げた市販の風邪薬などにも、多くの副作用の可能性が書かれているのに、多くの人は気にせず使用しますよね?ではなぜフィナステリドだけ、副作用を気にするのでしょうか?
こちらに厚生労働省が、市販の風邪薬を使用して重篤な副作用が出た件数を発表しているので、良かったら確認してみてください⇒『一般用医薬品による重篤な副作用について』
この中で、平成19年度~平成23年度までの5年間で、合計1220件もの重篤な副作用発症が報告されています。
そしてその中で亡くなってしまった事例が24件、後遺症が残った症例が15件あることが書かれています。ということは、年間で、市販の風邪薬を使用した人の大体250人に重篤な副作用が現れ、5人ぐらいが死亡するということです。
それに比べてフィナステリドが原因で死亡した例は、過去さかのぼっても0件です。
お酒に問題意識を持つ人は圧倒的に少ない
次はお酒についてです。フィナステリドの話をしているのになぜお酒?と思うかもしれませんが、後々繋がってくるので安心してください。
フィナステリドの副作用の中でも大きく取り上げられるのが、「肝機能障害」です。ただし、調べてもフィナステリドが確実な原因として肝機能障害を引き起こしたという症例は見たことがありません。
ではなぜフィナステリドが肝機能障害を引き起こすと言われているのかというと、フィナステリドを飲んで分解する場所は肝臓だからです。
飲んだフィナステリドは血中に混ざります。そしてそれを分解する役目が肝臓です。だから肝臓に負担がかかり、機能障害が出る恐れがあるよねという理屈です。
ただし、よくよく考えてみると、肝臓で分解するものの代表格と言っていいアルコールについては、みなさん全く副作用なんて気にしませんよね?
世界中でお酒が原因で病気になっている人なんて山ほどいます。しかもお酒に関しては、飲んだ直後の体調の変化が顕著です。
アルコールを摂取すると、顔が赤くなり、フラフラしてまともに歩けなくなります。また吐き気や記憶障害なども発生します。症状だけ見るとめちゃくちゃ危ないです。
これを薬の副作用に当てはめるとやばいよね…。
WHOの発表では、アルコールが原因での死亡事例は、世界中で年間で300万人いるというデータがあります。日本国内に絞っても、年間35,000人もいるそうです。
ただし、多くの人はそのアルコールを求めてお酒を買います。それに比べるとフィナステリドなんてほんと微量ですし、症状も全く出ない、なのにフィナステリドだけ「副作用が危ない!」と言われてしまう。これって矛盾してませんか?
繰り返しますがフィナステリドが原因の死亡事例は0です。
なぜフィナステリドの副作用がクローズアップされるのか?
ネットで「フィナステリド」と検索すると、必ずと言っていいほど「副作用」というワードが出てきます。実際には風邪薬を飲むより安全なのに、なぜなんだろうって思いますよね?理由は簡単です。
フィナステリドを使用するとAGAが治ります。そうです、飲むだけで薄毛が簡単に治ってしまうんですが、そうなると不都合な人たちがいます。
それは育毛剤を販売しているメーカーや、フィナステリド以外で治ると謳っている人達で、副作用というものを過剰にクローズアップさせて、フィナステリドを使おうとしている人の不安を煽っているにすぎないんです。
そうしなければ自社の商品が売れないですし、真実を知られたくないのでしょう。
本気で薄毛に悩んでいる人にとっては本当に迷惑な話です!
フィナステリドは使用して大丈夫?
ここまでフィナステリドの副作用を気にしなくていい理由を述べてきましたが、安心してフィナステリドを使用できる理由はまだまだあります。
フィナステリドには社会的な裏付けがある
別の記事でも紹介していますが、『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』というものがあります。
これは、薄毛専門の医者17名が協議して作成したガイドラインで、全国のAGAクリニックや皮膚科などで薄毛治療をする際の基準となっているものです。
この中でフィナステリドは最高のA評価を獲得しています。
また、フィナステリドは日本国内だけでなく、世界中で薄毛治療に使用されている薬でもあります。アメリカでは1997年に認可され、流通が始まり、日本では2005年から使用されています。アメリカでは約25年、日本では約17年使用され続けている薬だということです。
そして20年以上も全世界で使用されている薬に、万が一重篤な副作用があればとっくに使用が禁止されているはずです。
このように、フィナステリドとは世界中で効果と安全性が認められている治療薬なんです。
フィナステリドの副作用症状について
男性機能の低下とうつ病について
これについてはよく副作用として書かれているところを目にします。
この2つに関して共通して言えることは、「精神面の影響が大きい」ということです。
私自身はこの2つの症状についてはプラセボ効果だと考えています。理由は、フィナステリドの臨床試験の結果を見れば分かります。
1mg (139人中) | 0.2㎎ (137人中) | プラセボ (138人中) | |
---|---|---|---|
副作用発現件数 | 7 | 2 | 3 |
副作用発現率 | 5.0% | 1.5% | 2.2% |
性機能に関する 副作用発現例数 | 4 | 2 | 3 |
性機能に関する 副作用発現率 | 2.9% | 1.5% | 2.2% |
この試験は、被験者を3つのグループに分け、フィナステリドを投与した結果です。
1つ目のグループは1㎎、2つ目のグループは0.2㎎、3つ目のグループはプラセボ(フィナステリドとして渡す偽薬)を摂取し、副作用について調べた結果です。
「性機能に関する副作用発現例数」を見ていただければ分かる通り、1㎎は139人中4人、0.2㎎は137人中2人、そして注目していただきたいのが、プラセボは138人中3人という結果が出ています。
発現率で見るとどのグループもほとんどかわりません。むしろ0.2㎎よりもプラセボの方が高い割合だという結果が出ています。
他にも興味深い実験結果があります。心臓疾患の男性患者96人にアテノールという薬を処方した際の調査です。
96人を2つのグループに分け、1つ目のAグループにはその薬が何なのか知らせずに、「これを飲んでください」と言って薬を処方、2つ目のBグループでは、「この薬を飲むと勃起不全が起こる可能性があります」と言って薬を渡しました。
その結果何が起きたかと言うと、Aグループの何の薬を処方されたか分からなかったグループは、勃起不全が実際に起きたのは3.1%でした。一方で「勃起不全が起こるかもしれない」と言われて薬を飲んだBグループは31.2%が実際に勃起不全が起きたと答えたのです。約10倍です。
全く同じ薬を飲んでいるのに、心の持ちようだけで10倍もの副作用の発症率が変わるということです。
フィナステリドで副作用が出たという人は、事前にインターネット等で副作用の情報を見ませんでしたか?またはお医者さんから薬をもらう際に「男性機能低下が起こる可能性があります」と聞いていませんか?事前にそういった情報を聞いてしまうと、どうしても気になってしまい、体に影響が出てしまう人が少なからずいるということです。
うつ病も全く同じです。男性機能低下と同じで、症状が主観的な面があるからです。
「今まで飲んだことが無い薬だから、体にどんな影響がでるんだろう…」という不安が、体に影響を及ぼしているんですね。
無精子症について
精子の量が減ってしまうという無精子症ですが、フィナステリドの副作用の中で唯一気に留めておいた方がいい”かも”という副作用です。
これについては2013年にカナダの調査結果があり、4,400人の男性不妊患者を調べたところ、そのうちの27人(0.6%)がフィナステリドを使用していたということです。
これだけ聞くと全然関係ないんじゃないかと思うかもしれませんが、その27人の患者がフィナステリドの使用を中断したところ、平均11.6倍精子の数が増えたという驚きの結果が出たそうです。
4,400人中の27人と、サンプル数が少ないことと、フィナステリドが不妊の原因になっているのであれば世界中でもっと話題になっているだろうということ、そして私が問題なく子供を授かることができていることがそこまで気にしなくていいという根拠ではありますが、少し気になるデータとなっています。
妊活をしている夫婦や今後子供を考えているカップルなどは、念のため知っておいた方がいいでしょう。
ただ、幸いなことにこの精子の数が減るといった症状は、フィナステリドの服用を中止すれば元に戻るということも分かっていますので、妊活時期だけフィナステリドの服用を中止し、終えたら服用を再開すれば問題ないかと思います。
精子の数に関しては私自身も実際に調べているので、参考にしてください。
フィナステリドの副作用まとめ
今回フィナステリドの副作用について話してきましたが、「副作用が全くないから安心して使用してくださいね」と言っている訳ではありません。
万が一副作用とみられる症状が起こった場合は、もちろん使用を中断し、医者に相談すべきです。ただ、「副作用が怖いからフィナステリドの使用を躊躇する」というのは違うと思います。
お酒を飲むことだって死のリスクはありますし、車を運転することだって事故死のリスクはあります。そんなことを言ったらキリがないほど日常には危険があふれています。
私のプロフィールにも書きましたが、薄毛(AGA)というものは進行すればするほど、心の病にかかりやすい病気です。何をするにも無気力な状態となり、人とのコミュニケーションが億劫になり、私自身うつ病の一歩手前までいっていたと思います。
薄毛が原因での自殺者は年間300人程いるそうです。
そのくらい薄毛というものは怖い病気なのに、世の中にはほとんど認知されていません。私自身もめちゃくちゃ悩みましたし、長い間苦しみました。なので、このブログ記事を通して、少しでも薄毛で悩む人が行動を起こすきっかけになればいいなと思っています。
今回も長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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